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多くの台湾人が信仰する媽祖について

 

台湾人が最も親しみを持っている神様「媽祖(mā zǔ )」をご存知ですか?旧暦の3月23日、2019年の今年は西暦の4月27日が媽祖の誕生日になります。台湾では媽祖を祭る各お寺で大規模なお祭りが行われることになります。媽祖と何者なのか。台湾人はなぜ媽祖をあがめるかについてご紹介したいと思います。

 

 

媽祖

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媽祖は海洋を守る神

媽祖は、航海や漁業の守護神として、海洋を守る道教の女神です。中国沿海部の福建省や潮州を中心に、台湾では特に篤く信仰されています。

 

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媽祖は実在した人物と伝わっている

媽祖の誕生については諸説あります。

宋朝初期建隆元年(西暦960年)旧暦の3月23日に、福建省の官吏、林愿の七女として一人の女児が生まれました。生後1ヶ月経っても泣き声をあげないため、「黙」の1字を入れて林黙娘(りんもうにゃん)と名付けられました。

黙娘は幼少の頃から才気煥発で信仰心も篤く、16歳の頃に神通力を得て村人の病気を治すなどの奇跡を起こし、「通賢霊女」と呼ばれて崇められるようになりました。しかしあるとき、父親が海難事故に遭って行方不明になりました。これを嘆き悲しんだ黙娘は旅立ち、やがて
峨眉山の山頂で仙人に導かれて神様になったとされています。福建省にある媽祖島(馬祖島、現在の南竿島とされる)に、この伝承が残され島の名前の由来になっています。

                        (東京媽祖廟のサイトより)

媽祖の別名

天妃娘娘、天上聖母、媽祖菩薩、娘媽媽祖婆・阿媽など

 

媽祖廟(媽祖を祀るお寺)

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媽祖を祀るお寺は、媽祖廟の他に天后宮、天妃宮、天后祠、天后寺、天后廟、聖母廟等と呼ばれます。媽祖を祀るお寺は台湾だけで510もあるとされています。

台湾で最初に建てられたとされる「天后宮」は台南市にある大天后宮(国家一級古蹟)です。

 

各地に有名なお寺がありますが、台北市内の媽祖廟をご紹介しておきます。

台北市北投区關渡宮:1661年建立
台北市士林慈諴宮:1796年建立

台北市西門町媽祖廟:1746年建立

台北市松山慈祐宮:1753年建立

台北市大稲埕慈聖宮 :1866年建立→1914年現在の地に移転

 

(もっと詳しく知りたい方はWikipediaをご参照ください。)

 

大甲媽出巡遶境(媽祖廟の巡礼)

どの媽祖廟でも媽祖の誕生日(旧暦の3月23日)にはご神体をお神輿のようなものに乗せて街をあるくパレードが行われます。台湾で一番有名なのは、台中市大甲区大甲鎮瀾宮のご神体を嘉義県新港鄉新港奉天宮9日かけて巡礼する大甲媽出巡遶境です。毎年媽祖の誕生日の前、旧暦3月頃に行われます。340キロメートルを移動しながら100余りの

媽祖廟に立ち寄ります。沿道では信者たちが線香を焚き、供え物を並べ、幸福を祈願します。

この巡礼は国連教育科学文化機関(UNESCO)の「無形文化遺産」にも登録されています。

大甲媽祖の巡礼が行われる日程は毎年「元宵節(旧暦1月15日)」の夜、「鎮瀾宮」で「鎮瀾宮」の会長が読経した上で、神具を振って媽祖の意向を確かめ、その結果で巡礼の日時を決定します。ひとつひとつ手順が決められたとても神聖な儀式です。

 

 参考までに経路をご紹介しておきます。

往路
第1日:大甲區→清水區→沙鹿區→龍井區→大肚區→彰化市
第2日:彰化市→花壇鄉→大村鄉→員林市→永靖鄉→田尾鄉→北斗鎮→溪州鄉→西螺鎮
第3日:西螺鎮→二崙鄉→虎尾鎮→土庫鎮→元長鄉→新港鄉(經北港古香路)
第4日:新港奉天宮舉辦祝壽大典(朝8時)
復路
第5日:新港鄉→元長鄉→土庫鎮→虎尾鎮→西螺鎮
第6日:西螺鎮→溪州鄉→埤頭鄉→北斗鎮
第7日:北斗鎮→田尾鄉→永靖鄉→員林市→大村鄉→花壇鄉→彰化市
第8日:彰化市→大肚區→龍井區→沙鹿區→清水區
第9日:清水區→外埔區→大甲區 

 

媽祖廟の巡礼の際にご神体のお神輿の下にひれ伏し、神輿が体の上を通ると、媽祖の力により、邪気を払い平安をもたらしてくれるとされています。

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(写真は三立新聞台のサイトからお借りしました。這張照片從三立新聞台綱站借用。)
 

 

台湾人にとっての媽祖

媽祖は福建省で生まれたこともあり、特に福建省付近での信仰が篤いです。台湾人の祖先は福建南部から移住した開拓民が多く、移民たちは航海中の安全を祈り媽祖を祀りました。そして無事に台湾島へ到着した事を感謝し台湾島内に媽祖の廟祠を建てました。このような経緯があり、台湾では媽祖を信仰する人が多いのです。

 媽祖は台湾人にとってはすでに海の守り神としてだけでなく、結婚や子育て、病気の時や災害時など、生活の様々な場面で救いを求めたいときや導いてほしい時にお参りされています。媽祖は、人々の不安や苦痛があるときに、母親にすがるように救いを求めると優しく包み込むような懐の深さで癒してくれるものとされています。

 

 

日本人と媽祖

江戸時代以前に日本に伝来された媽祖は、九州を中心に30体以上確認されています。

 江戸時代前半には、清から水戸藩に伝えられとされる天妃神の像が、茨城県水戸市祇園寺に祀られています。青森県大間町の大間稲荷神社には、天妃媽祖大権現が祀られています。大間稲荷神社は台湾の媽祖信仰の総本山である雲林県北港朝天宮と姉妹宮となっています。媽祖はもととは道教の神様ですが、日本に媽祖が伝来してからは、神道と一体化し、天妃神社とされているところもあります。

日本で媽祖が祭られているなお寺、神社
橫濱媽祖廟
東京朝天宮
東京媽祖廟

水戸祇園
弟橘比賣神社
長崎 聖壽山 崇福寺 媽祖堂
長崎 東明山 興福寺 媽祖堂
青森大間稻荷神社
久米天妃宮(上天妃宮)
那霸天妃宮(下天妃宮)
久米島天妃宮

 

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 最近のニュースのちょっとした小話

台湾では2020年に総統選を控えています。民進党が政権を握る中、対立する国民党がどの候補者を擁立するかという点が今のニュースの焦点になっています。媽祖の誕生日が近いこともあり、最近候補者がこぞって各地の媽祖廟を参拝するなかで各候補者たちが媽祖と対話していると話しています。

候補者A「媽祖は私にできることをするようにと言っている」

候補者B「媽祖は私に夢を託し、選挙に出るように言っている」、

候補者C「媽祖は私のことをとても大事にしている」

…みなさんいいように解釈しすぎでは…?と外国人の私は思ってしまいますが…

ここで取り上げた理由は政治批判をしたいからではなく、こうした大事な選挙にも台湾では媽祖のご意向が取り上げらているからです。政治家もすがるほど台湾では媽祖信仰が定着しているというのがよくわかっていただけると思います。