ご無沙汰しております。UBです。かなり個人的な見解ですが、新型コロナウイルスの動向を見ていると、今の台湾政府の有能さ、日本政府の対応の遅さを痛感せずにはいられません…。国の大きさが違うので一概に比較することはできませんが、台湾の現状を軸にして新型コロナウイルスの対応をまとめてみようと思います。
新型コロナウイルスの台湾の対応
中国からの入境を早い段階でシャットアウト
1月25日 台湾から中国への団体旅行を禁止(個人の旅行については制限なし)
湖北省からの入境を禁止
2月6日から中国人の入境を禁止。
2月7日から14日以内に中国、香港、マカオに渡航歴のある外国人の入境を原則禁止。また台湾人の香港・マカオからの入境は「居宅検疫」となり、14日間住宅やホテルから出られず、守らなかった場合には強制的に隔離。
2月6日大型旅客船の台湾への停止を禁止。旅客船の台湾人は入境が認められるが、2週間の自宅待機を要請。
2月24日からは韓国、27日からはイタリア、3月1日からはイランに対しても中国と同様の対応がとられ、いずれの国に滞在歴のある外国籍の人は14日間の「居宅検疫」、台湾国民に対しては自主管理の措置が取られています。
ちなみに台湾は日本に対しては2月28日、日本全体に対しては渡航の是非の検討、北海道に対しては不必要な渡航の回避としています。
「居宅検疫」が必要な人には、毎日電話で体温を報告するように命じられ、万が一建物から出た場合には罰金が科せられます。連絡を絶つと指名手配のように行方を追われます(実際に何人かテレビで報道されていました)。
マスクは配給制を採用
台湾では1月28日から政府の備蓄マスクを放出、一人当たりの購入を3枚に制限。1月31日で製造されるマスクを400万枚政府が買い取り病院を優先させ、一般への販売をコントロールしています。
3月2日の現在では、政府が買い取ったマスクは、各薬局に配布され、一人につき一週間に大人3枚、子供は5枚購入できることになりました。購入には保険カードが使用され、前回購入から一週間経過していない場合には購入できないしシステムになっています。値段は一律5元と決められており、価格の不正があれば罰せられます。
台湾の公立校も一斉に休校
前回のブログでも書いたのですが、1月の末は台湾の公立校はまだ冬休み中でしたので、政府は冬休みの2週間の延長(2月10日までを2月24日まで)を発表しました。冬休みを延長した分、夏休み開始を延期(7月1日を7月16日)という措置も同時に発表されました。台湾政府が発表したので、台湾全国の公立校はすべて同じ措置が取られています。私立幼稚園や塾は各校の判断ということで強制的な休校にはならなかったので、公立校と私立では対応が違いました。
また、学校再開にあたっては全教員生徒に海外渡航歴の調査がされ、2週間以内に中国、香港、マカオへの滞在がある場合には2週間の自宅待機の要請がありました。また、毎日学校で体温を計測、体温が37.5度以上、風邪症状がある場合には登校禁止となっています。
共働き世帯への配慮
冬休み延長にともない、共働きで子供を世話する人がいない場合には、親のどちらかが有給をとれる制度を政府が発表し、企業に要請しました。有給を申請した場合には雇用主には拒否してはならないというものです。(職場の状況により、実際に有給をとれるかどうかは別にして政府が共働き家庭の後ろ盾となったということです)
大きなイベントの延期や中止
台湾ではテーマパークはいまのところ休園には至っていません。博物館なども通常営業しています。ですが、多くの台湾人が信仰する媽祖の巡礼さえも今年は延期になりました。各団体が開催する地域イベントや人が集まる学校行事なども中止が相次いでいます。
台湾人にとって媽祖がいかに大切かを書いた過去の記事があります。この宗教イベントを中止するというのは台湾人にとっては大きな決断だと思いました。
今の台湾旅行はどうするべきかという問題
国の大きさの違いはありますが、日本の今の状況を見ていると台湾は迅速かつ柔軟に対応していると思います。子育てをしてる家庭への理解も、台湾政府のほうが勝っているのではないかと感じてしまいます。しかし、それでも台湾もすでに40例近く発症している人がいて毎日新たな発症者が出ています。隔離・観察対象の人も多くいて、病院での感染もあったので、まだまだ緊張した状態が続いています。
日本からの台湾旅行の是非については個人の考えによると思います。大阪に団体旅行で行った台湾人が帰国後に感染した例もありました。日本でも日々感染者が増加しているので、もしかしたら日本から台湾への入国も今後禁止されるかもしれないと私は思っています。台湾人があからさまに日本人を差別的な扱いをすることは少ないとは思いますが、リスクを避けたいのはお互い様です。今は不要不急の旅行は避けるべきだと私は思います。
一体いつになったら終息するのでしょうか…。不安な日々が続きますね。みなさんもお体にはお気を付けください。