こんにちはUBです。今日は台湾の閏年と豚足そうめん(豬腳麵線)の話をご紹介したいと思います。
台湾の閏年と豚足そうめん(豬腳麵線)の話
今年は旧暦の閏年
台湾の行事は旧暦を使うことが多いです。台湾の暦については以前に書いた記事をご参照ください。
西暦では4年に一度の閏年で時間のズレを調整します。旧暦では3年に一度4月が2回ある年を作ることで調節します。中国語でもこの年を「閏年(rùnnián)」と言います。
そして2020年の今年がその閏年にあたっています。この閏年には台湾では「お嫁に出た娘が実家の両親のもとに豚足入りそうめん(豬腳麵線)を贈る」という特別な風習があります。
豚足入りそうめん!?
(写真は大台北旅遊網 よりお借りしました)
この閏年の風習を説明する前にまず、台湾と豚足入りそうめんからご紹介します。台湾では豚足を醤油で煮込んだ「豬腳」はとても一般的な食べ物です。その醤油で煮た豚足(豬腳)とそうめん(麵線)を合わせた豬腳麵線は、結婚式などのお祝い事、特に年配者の誕生日、退院のお祝いなどに送られるとても一般的な料理です。
豚足は体を健康にする効果、そうめんは長寿の象徴(誕生日で食べる場合には長いそうめんをかみ切らずに食べます)なので、豬腳麵線はとても縁起のいい料理なのです。
蛇足ですが、台湾では母乳を出すために一番効果的なのが、「豚足とピーナッツの煮込み(花生豬腳)」とされています。台湾で出産すると、食べるように言われるかもしれません。
閏年に嫁入りした子は両親に豚足そうめんを贈る
話が逸れましたが、閏年は不吉な年と考えられています。閏年には年配の両親の命が一か月短くなると考えられていて、その不吉な年にすでにお嫁に出たその家の女の子が実家両親に健康長寿の象徴、豬腳麵線を送ることで命が長くなると信じられています。現代では両親に紅包(ご祝儀)で豬腳麵線に替える場合もあるようです。
豬腳麵線を送るのに最適なのは、閏年が始まる前、西暦の5月22日の前、または両親の誕生日の前だそうです。
また、豚足の部位も決まっていて、
〇両親が健在の場合には、前足と後ろ足各一本、または両方前足
〇両親どちらかがなくなっている場合には、前足一本
〇両親がベジタリアンの場合には、豚足の絵とともにご祝儀を包むか、豚足の形を模したパイナップルケーキ、ゼリーなど
を贈ります。
男の子しかいない家の両親は命が縮まないのか?と野暮な質問をしたくなりますが、勝手な想像ですが、お嫁に行ってしまったら今ほど気軽に里帰りできなかった昔の時代にお嫁さんが里帰りできる口実だったのかもしれませんね。
最近家のお義母さんがこの話をしていたので、興味深いと思ってご紹介しました。ちなみにお義母さんのお母さん、主人のおばあちゃんはまだ健在です。ですから、お義母さんはおばあちゃんに豬腳麵線を贈ります。