こんにちはUBです。
もう子供は小学校なので私が離乳食を作っていたのは少し前のことになります。ですが台湾の子育て記事によくアクセスいただいているので、今回は台湾の離乳食について書いてみようと思います。
台湾の離乳食事情
私の台湾での離乳食作りの経験
私には2人の子供がいます。日本には帰らず台湾で出産して、離乳食期もほとんど台湾で過ごしました。台湾に来て3年以内に出産した上に、初めての子育てで分からないことだらけの中離乳食を準備していました。
その当時は日本の育児書を頼りにしていたこともあり、日本式の離乳食づくりが頭にありました。結構頑張って教科書通りにしたくて一生懸命やっていたと思いますが、特に上の子は食に全く興味がありませんでした。頑張って作っても一口も食べてくれないことが何度もありました。
今になって振り返るとそんなに頑張らなくてもよかったし、もっと台湾にあるものを活用すれば子育てに余裕がもてていたのになーと思うことがあります。いろいろな意味で台湾生活に慣れた今ならもっと適当に、もっと上手にできただろと思う部分もあります。
子育てってそういうものかもしれませんが。
生後4か月の時に行う「收涎」という儀式
台湾では日本のお食い初めのような行事はありません。しかし、同じように子供の成長をねがう「收涎 shōu xián (一般的には台湾語で『しゅーぬぅあ』と言うと思います。)」という儀式があります。
これは生後4か月でちょうど赤ちゃんのよだれが垂れ始めた頃、赤ちゃんの首に12個または24個のクッキー(これを收涎餅乾といいます。)をかけます。
外国人としてはここでいろいろ突っ込みたくなりますが、我慢です。
そして、大きくなってね、とか健康にそだってね的な意味の縁起のいいことばを子供にかけながらクッキーであかちゃんのよだれをぬぐうふりをしてクッキーをもらいます。
よだれが出てくるというのは赤ちゃんの消化器官も発達してミルク以外の食べ物を受け入れる準備が出来てきたということです。
台湾も日本と変わらず生後4~6か月ぐらいで離乳食を開始することが推奨されています。あかちゃんの食への興味や呑み込みの状況をみて始めるようすすめているのは日本と同じです。
離乳食にまつわる中国語
離乳食:副食品 fù shí pǐn
アレルギー:過敏 guò mǐn
つぶした食べ物:食物泥 shí wù ní
食べさせる:餵食 wèi shí
台湾で一般的に与える離乳食
基本的に台湾の離乳食も日本と大きくは変わりません。米が主食の文化でおかゆも食べるので、おかゆの上澄みからスタートするように一般的に指導されています。
かぼちゃやさつまいも、葉物野菜などのすりつぶし、からスタートし、3日に一度ほど新しいものを少量与えてアレルギーを観察する方法も変わりません。
日本と台湾で違うと感じたところ
お粥は「排骨湯」で炊くべし
私が衝撃を受けたことは、おかゆを水ではなく「排骨湯 pái gǔ tāng 」で炊くように義母に言われたことです。排骨湯というのは平たく言うと豚の骨を煮出して作る「豚骨スープ」です。でも、日本のラーメンのように白濁するまで煮込みません。透明で豚のエキスの味がするスープです。
なぜ赤ちゃんに食べさせるお粥を豚骨スープで炊かなければになければならないのか?と当時は毎日イラっとしていました。義母曰く豚骨スープで炊くことでカルシウムが摂取できるそうです。
うーん。これは私は未だに受け入れがたいです。同じように言われた方いますか?家の義母だけなのでしょうか?
確かにカルシウムが摂取できるなら、お肉がOKになったら頃から排骨湯でおかゆを炊いてみてもいいかもしれません。
お米やパン以外に主食となる台湾独自の食料
台湾の離乳食では、おかゆだけでなく小米粥(粟のお粥)や燕麥粥(オートミールのお粥)、米をのり状にして蒸し碗粿なども離乳食として食べさせます。月齢が進んできて麺状のものが食べられるようになったら、米粉や米苔目、板條など米から作られた麺類も離乳食として与えられます。
なんでも混ぜがち
日本の離乳食の写真を見ていると、離乳食でもプレートに別盛りにして見た目もよく整えています。が、台湾の離乳食では主食となるおかゆの中に色々混ぜて食べさせることが多いと思います。せっかく分けて準備しても混ぜ混ぜさせて食べさせられちゃってました(義母に)。
またこっそり愚痴を書いてしまいました。
お弁当のおかずをご飯の上に乗せる文化なので、それは仕方がないようにも思います。
当時はわずかにある日本人根性で分けて盛って混ぜられてイラついていた私ですが、台湾に慣れた今なら全部混ぜて一品で離乳食とすると思います。
いつまでも柔らかい食事を与えがち
日本の離乳食の本をみていると、月齢に合わせて歯ごたえのあるものを与えましょうと書いてあります。台湾の離乳食は1歳半くらいまで5分粥くらいの柔らかめのお粥が主流です。歩くような月齢の子にも柔らかめのお粥を与えているのを見かけます。
あまり硬いお粥を与えると「太乾了(乾きすぎ=水分が足りなくて赤ちゃんが呑み込めないでしょ?の意味)」と言われて自分の準備ものにスープを足されたりしていました。(義母に)イラっとするので、毎回少し柔らかめに作るようにしていました。
台湾の多くの人は食事にスープがないと落ち着かない無類のスープ好きの人々で、パスタも麵も 柔らかめを好む人が多いです。なので、離乳食も柔らかめが好まれるのでしょう…...( = =) トオイメ目
フルーツはパパイヤやグァバも選択肢が豊富
台湾は熱帯のフルーツも豊富なので、日本で与えるフルーツとは少し選択肢が違います。リンゴやバナナは日本と同じですが、アレルギーのリスクが少なく甘みも穏やかなグアバ(芭樂)はよく離乳食として与えられます。すりおろしたり、月齢が上がってきたら歯固めのような感じでガジガジさせたりしているのを見かけます。パパイヤ(木瓜)も日本では離乳食には登場しないと思いますが、やわらかいので初期から離乳食として与えられます。
熱帯フルーツの代表的なマンゴーはアレルギーのリスクが高いので離乳食期には向きません。
レトルトの離乳食はちょっと高価
台湾でも薬局やデパートで和光堂やキューピーの離乳食は手に入ります。ですが、一瓶70元~100元ほどするのでなかなか高額です。その他フランスやドイツなどの欧米系のメーカーの離乳食の瓶詰めも売っています。でも、フルーツや野菜のピューレ状のもので、やっぱりなんとなく日本メーカーのものを買っていました(個人的感想です)。
とはいえレトルトはやっぱり便利なので、日本に帰国した際に買っていつもストックしていました。母の体調が悪い時などには便利です。
レストランなどでは保温ランチジャーに離乳食を入れてきて与えている人を見かけます。私も離乳食用の保温ランチジャーを使っていました。
離乳食もやっぱり電鍋が大活躍
上の子の時はまだ電鍋を持っていなかったので、レンジと鍋で離乳食を作っていました。下の子の時は電鍋を購入したあとでした。電鍋は離乳食の強い味方です。その便利さはなぜ意地を張ってもっと早く電鍋を購入しなかったのか?と過去の自分に怒りを覚えるレベルでした。
お粥も柔らかめの野菜もスイッチ一つで出来上がります。勝手に電源が切れるから焦げる心配もなく失敗もしないので、本当に母の強い味方でした。
離乳食を作る際、電鍋があるととても便利です。
台湾で離乳食期の子育てをする場合、食材や文化の違いで戸惑うこともあると思います。保健師さんなど相談できる人もいなくて日本にいるより大変な部分もあります。
特に国際結婚の場合、義家族からの横やりが入る場合も多いです。今考えるとなんでもないことでも産後の体の変化や夜中の授乳の寝不足状態で言われると精神的にかなり堪えます。結果、ブログ中の文章にもあるように数年たっても思い出すとイラっとしてしまいます。
自分のことよりも子供のこととなるとなかなか信念を曲げるのは難しいかと思います。
当時私は自分が追い詰められていると感じたらこんな風に考えるようにしていました。「台湾の人は日本とは違う離乳食を食べても何の問題もなく育っている。義母さんに育てられた主人は大きくなって今は日本食を好んで何でも食べる人になっている。もしかしたら排骨湯が効いて他の人より骨が丈夫かもしれない。離乳食にそんなに神経をとがらせる必要はない」と。
離乳食は気持ちを張り詰めがちですが、赤ちゃんが楽しく育てば問題ないと思うので、気楽に頑張ってください。