こんにちはUBです。
私は魚やお肉も好きですが、どちらかというと野菜の方が好きです。台湾のベジタリアンのお弁当屋さんも常連で日本にはないような味付けの野菜料理を楽しんでいます。
義母が最近一時期ベジタリアンだったので、台湾のベジタリアン事情に触れ、皆様にぜひご紹介しようと思いました。
今日は台湾のベジタリアン事情について書いてみようと思います。
完全に個人的な視点なので、その辺はご了承ください。
台湾のベジタリアン事情
台湾は日本よりもベジタリアンが多いような印象があります。
とは言っても、私は毎年一時帰国はしていますが、日本を離れて早11年目。日本のベジタリアン事情はこの10年で大きく変わっていることと思います。ですから、私自身の比較対象は10年前の日本のイメージということになっているので完全に個人的な感想です。
ベジタリアンである理由
ベジタリアンの台湾人がベジタリアンである理由はいろいろ聞いたことがあります。
印象として一番多いのは、「仏教徒だから」だと思います。台湾のお坊さんや尼さんはベジタリアンです。また、熱心な仏教徒もまたベジタリアンの人が多いです。身近な人や大切な人を亡くして以降ベジタリアンになっているという人にも会ったことがあります。
最近主人の祖母が亡くなりましたが、葬式までの一か月間、喪主である叔父や義母はベジタリアンでした。そんな風に一時期動物性のものを摂取しないという人もいます。
「仏教徒だから」という理由でベジタリアンの場合には、動物性のものを摂取しないだけでなく、「五辛」と呼ばれるにんにくやネギ、ニラなども摂取しません。
宗教以外の理由では、健康のためや動物愛護のため、アレルギーなどいろいろな理由があると思います。
ベジタリアンの中国語表記
動物性のものを使わない食事は「素食(sù shí)」と表現します。
自分がベジタリアンであることを表現するには「我吃素(wǒ chī sù)」と言えば通じます。
チーズやはちみつなどを含め動物由来の者を一切食べない場合には「全素(quán sù)」
卵は食べないがミルク類はOKの場合には「奶素(nǎi sù)」
ミルク類は食べないが卵はOKの場合には「蛋素(dàn sù)」
卵とミルク類が食べられる場合には「蛋奶素(dàn nǎi sù)」と表現します。
台湾で一番多いのは「蛋奶素」の人だと思います。この「蛋奶素」という表現は、同時に暗に「五辛のものも摂取しません」という意味も含むようです。
逆に肉を含む普通の食事のことは「葷食(hūn shí)」です。
ベジタリアンは台湾で生活しやすい?
10年前の自分の勝手なイメージで日本と台湾を比較するのはちょっとフェアではない気がするので、「台湾は、ベジタリアンにとって生活しやすいのではないか」という考察調の表現にしておきます。そう考える理由をご紹介します。
1、ベジタリアン食品が豊富
スーパーや伝統市場では、大豆から作られている大豆ミートや、小麦で作られた大腸もどきなど野菜以外にも割と種類が豊富です。
義母のためにカルフールで購入したベジタリアン食品をご紹介します。
これは胡椒味の大豆ミートステーキです。フライパンで少し焼いて食べました。
黒コショウが効いていておいしかったです。
大豆は遺伝子組み換えでないものと表記されています。
こちらは小麦から作られているホルモンを模した食べ物です。台湾通の方には通じるかと思いますが、歯ごたえがありQQとした食感です。お腹にかなりたまります。
5㎜ほどに斜めに切って、醤油で甘辛く煮たり、すこし辛く炒め煮にしたりしてもおいしいです。
この2つは調理済みのレトルトパックです。昆布と筍の煮物と、高菜?のような梅干という野菜の塩漬けの煮物の上に、大豆ミートが乗っていました。どちらも温めてすぐに食べられるのですが、意外にも味付けがよく、おいしかったです。
2.ベジタリアン食品表記がされている
台湾のパン屋さんなどでは、商品名と値段の他に「蛋素」や「蛋奶素」という様に表記してあることが多いです。ベジタリアンの人が自分が食べられるものを選びやすいようになっています。
3.レストランにもベジタリアンのメニューがある
これは世界的にそうなのかもしれませんが、台湾のレストランの多くのメニューには「素食」のメニューがあります。台湾の一人鍋の店でもお肉や海鮮がない野菜だけのメニューもあります。
写真は近所のイタリアンレストランのメニューなのですが、ベジタリアンのパスタが10種類もありました。このほかにベジタリアンのスープもありました。
ベジタリアンの義母とお茶をしに行き、とても便利たと思ったのが、コーヒーショップチェーン店の丹堤咖啡Dante Coffee です。Dante Coffeeはベジタリアンメニューが豊富で、大豆ミートを使ったハンバーガーを提供していました。
リンクを貼るので興味がある方はメニューを見てみて下さい。産品紹介の蛋奶素と書いてあるところをクリックするとメニューが見られます。
4.ベジタリアンのバイキングのお弁当屋さん
台湾によくあるバイキング形式のお弁当屋さん(自助餐)。これにもベジタリアン専門店があります。野菜炒めだけと思いきや、そのおかず、味付けの種類はとても豊富です。
写真は私がいつも通っている「綠原品」というお店です。バイキングなので、好きなものを好きな量だけ選べて、重さで値段が決まります。五穀米、サツマイモ入りお粥もあり、何となく健康になったような気分になります。どれを食べてもおいしく、ベジタリアンではない方にもおすすめのお弁当屋さんです。
5.ベジタリアンの人がいるのが当たり前の世界
台湾では、結婚式などでは事前にベジタリアンかどうかを聞き、ベジタリアンの人のテーブルを準備することもあります。お弁当を準備するようなイベントの時もベジタリアンか聞かれます。兵役の際にもベジタリアンの食材は別に準備されるのだそうです。
ベジタリアンがいることが当たり前の社会だと感じます。
旅行中にもおすすめのベジタリアンレストラン
今回は私が最近食べに行った2つのレストランをご紹介したいと思います。どちらもとても清潔で、サービスもとても行き届いています。全部野菜なんて…と思われる方、印象を覆されると思います。お腹もいっぱいになります。
日本からこのブログをご覧の方は、コロナが収束して台湾旅行ができるようになったらぜひ食べに来てみて下さい。
どちらも人気店なので、特に週末は予約日必須です。
(どちらの店も写真がないのは、義祖母の葬儀関連で食べに行ったので、とても写真を撮る雰囲気でも気分でもなかったからです。今回はお店の写真をお借りしました。)
養心茶棲 (養心茶樓)
ベジタリアン飲茶のお店です。
ベジタリアンレストランとは思えないメニューの豊富さです。ひとつひとつの料理が凝っていて、どのメニューもおいしいです。私は特に写真をお借りした松の実とチーズ入り野菜ロール(松子起司鮮蔬捲)と千切り大根入り揚げパン(蘿蔔絲酥餅)がおすすめです。お店のキッチンが一部ガラス張りになっていて、飲茶を調理しているのを見ることができます。
MRT松江南京駅のすぐ上にあり、交通も便利なうえにお店もきれいでスタッフのサービスもとてもよいです。
日本語メニューも、オンラインで席の予約なHPはこちらです。写真はHPからお借りしています。
養心茶樓
住所:台北市中山區松江路128号2F
電話:+(886)2-2542-8828
営業時間:平日 11:30~14:20 14:30~16:30 17:30~21:30
土日 11:00~12:45 13:00~14:45 15:00~16:45 17:30~19:15 19:30~21:30
禪風茶樓
上にご紹介した養心茶棲のすぐ隣にあるベジタリアンレストランです。
禪風茶樓は内装が凝っていて、雰囲気がよいお店です。中国茶も飲め、食事の時間制限がないので、ゆっくり食事したいときはこちらのお店がおすすめです。ただし、お昼休憩があり、アフタヌーンティーは提供していません。
写真のたけのことタロイモ入りのビーフンスープ、へちまの小籠包が特に美味しかったです。
禪風茶樓
住所:台北市中山區松江路182號2樓
電話:02₋2567₋8977
営業時間:11:30~14:30 17:30~21:30
素食に関する面白いニュース
ちょうどタイムリーな面白いニュースがあったのでご紹介します。
台湾、南投県の埔里という地区では、12年に一度神様に感謝し、平安を祈る「建醮」という儀式が行われたということです。この地域に住む人は一週間全員が素食つまりベジタリアンとなり、動物の肉を摂取しません。普段肉を扱う店は野菜料理を売ったり、1週間休業したそうです。
そして肉食が解禁された夜の11時、台湾式唐揚げの店にはニュースの写真のような長蛇の列ができたということです。
台湾のマクドナルドにはフライドチキンもあるので、マクドナルドの入り口にはFOODPANDAのデリバリースタッフが多数待機していて、このニュースでは、子供の絵本の「野良猫軍団」ならぬ「パンダ軍団」だと形容されています。
普段から野菜を好んで食べていても、いざ「食べるな」と言われると食べたくなるのが人間の心理かもなんて思いました。そして「建醮」という行事を初めて知りましたが、全地域民に素食を強いるとは興味深い行事だと思いました。
台湾旅行に来れるようになったら、ぜひ台湾のベジタリアン食材やベジタリアンレストランを試してみて下さい!