こんにちはUBです。台北も朝晩涼しい風が吹き、秋の気配です。台北の秋は短いですが、10月は1年の中で一番気持ちのいい季節です。
台北で14日間ホテル隔離の実際。子供と3人同室で
- 台北で14日間ホテル隔離の実際。子供と3人同室で
自宅隔離禁止の衝撃
情報が知りたい方にはいらない文章ですが、どうしても書きたいので、最初に愚痴と経過を書きます。隔離の情報が知りたい方は飛ばして下さい。
私は台湾人と結婚していて、小学生2人の子供がいて台北在住です。2021年6月に2か月間日本に一時帰国していました。2年ぶりの帰省です。今まで帰国をしなかった理由はもちろんコロナの感染の心配もありましたが、なにより台湾帰国後に厳格な2週間の隔離が義務付けられているからです。自宅で2週間子供2人と監禁されるとか…。発狂してしまうと思ってました。
ところが、2021年5月から台湾でも感染拡大と同時に学校が休校になり、ステイホームの日々が始まりました。絶対無理だと思っていましたが、オンライン授業や問題集、ゲーム、運動などを時間を決めてやる日々は、意外にも特にストレスがなく、みんな穏やかに過ごせました。「14日間の自宅隔離なら、問題ないな。これはいけるな。」と思えたので、日本への帰国を決めたのでした。
ところが、日本帰国まもない2021年6月26日台湾政府がデルタ株蔓延防止策として台湾入境者の自宅隔離の禁止を発表しました。こりゃ完全に詰んだと思いましたよね。ホテルでの隔離は予想してなかったので、この衝撃と言ったらもう…。聞いてないよーですよ。古いですが。
航空券がすでに通常より高かったのに、2か国でPCR検査に3人分日本円で10万円近い費用がかかります。自宅隔離なら宿泊代などいらなかったのに、「え。15日間のホテル代!?」最初からわかっていれば決して帰国しようなどどは考えませんでした。そんな無駄遣いしたくないです。いっそ台湾に帰るのをやめて日本に転校させようか…などとまで考えました。
しかし冷静になると、そんなわけにもいかず、飛行機も席が埋まっている、台湾ではアメリカにワクチンをうちに行っている人もいる、夏休みの終わりや、留学の始まりで8月は台湾入国者も多いはず…と考えたら、衝撃を受ける前にとりあえず子供と過ごすためのホテルを検索しなければ。狭い部屋しかなかったらそれこそ詰みだと思ってその日の内にホテル探しを開始したのでした。
このように台湾の感染防止に対する政策というのはものすごいスピード感がありますよね。毎回毎回驚かされます。発表、即日決行です。ですから、最新情報を入手することをお勧めします。
中国語ですが、「台北市観光伝播局」のこの動画がよくできていると思ったので、張り付けておきます。
防疫ホテル検索と予約
防疫ホテルは1人1部屋が基本です。夫婦や友達といった同行者であっても同室は認められていません(2021年10月現在)。12歳以下の子供であれば、親との同室が認められています。
そのため、防疫ホテルは1人で過ごすことを前提とした部屋が圧倒的に多いです。部屋が埋まってしまうと15日間は空かないので、条件のいい部屋をとりたい場合には、なるべく早めに部屋を予約した方がいいです。防疫ホテルは宿泊前3日前までキャンセル無料というところも多かったので、とりあえず部屋を予約してしまうというのもありかと思います。
ホテル滞在は14日ではありません。実際には15日です。入境した日はカウントせず、その日の夜中0時から始まって14日間実質15日間になります。
例えば10月1日に入境したら、10月2日の午前0時から隔離が始まり、PCR検査が陰性であれば16日の深夜0時に隔離終了となります。私は子連れなので夜中にチェックアウトはしませんでしたが、0時を回ったらホテルをチェックアウトして問題ないそうです。(料金は15泊分かかります)
防疫ホテルではなく、政府指定の中央検疫所に宿泊する手もあります。検疫所については一つ前のブログをご覧ください。
防疫ホテルの料金は政府指定の検疫所が1日3食付きで2000元(約8000円)なので、それに合わせて一泊2000元~のところが多いです。3食付き(大体一日食事代500元、約2000円ほど)と素泊まりが選択ができます。台湾国民価格と外国人価格が設定されているホテルもあります。私は永久居留証を持っているので、特別国民価格にしてもらえました。表示価格よりも安くなる場合もあようです。
私は台北市在住で、台北市内にホテルを予約したかったので、市のサイトから予約しました。ホテルのラインに登録し、ライン上で予約ができます。台北市のサイトは日本語に対応しています。ホテルは事前のカード決済でした。
以下のサイトは中国語ですが、台湾全土の防疫ホテル、予約のサイトにもリンクしています。
全台防疫旅館最新名單-持續更新!北中南防疫旅館名單/地圖索引/訂房資訊 - Calling訂房達人!
中国語が心配な人はHISからホテルや入境のサポートプランがでているので、やはりプロに任せるのが安心かと思います。
ホテルの部屋の条件
人それぞれ考え方が違うと思うので、完全に私の主観で書きます。
部屋を検索した後にそのホテルの口コミも検索してから予約するといいと思います。
立地
防疫ホテルの場合には外出禁止なので、立地はあまりこだわらなくていいと思います。
ただし、食事をUBEREATS や FOODPANDA で頼もうと思っている場合、あまりにも田舎を選択してしまうとレストランの選択肢が狭くなるので、その点だけは注意した方がいいと思います。一応GOOLE MAPなどで立地を確認すると安心です。
値段
台北市内しか詳しく検索していませんが、値段はピンキリです。立地がいいとそれだけで特に値段が高いと思います。
部屋の広さ
これは値段に比例しますよね。私は狭い部屋で子供と3人は無理だと思ったので、予算ぎりぎりでなるべく広い部屋にしました。
ベッドの広さ
個人の好みですよね。
家の場合は子供2人が私にくっついて寝るので、ダブル以上でなければ2週間寝不足になると思い、キングサイズのベッドがある部屋を選択しました。一人で寝られる子ならば、ベッドが2つ、または3つある部屋がいいですね。
部屋の清潔さ
部屋の写真をみて、ホテルの口コミ検索をしました。安くて広くても、写真を見て古そうな部屋は除外しました。
バスタブの有無、トイレ
台湾のホテルにはトイレがお風呂と別れていなかったり、バスタブがない部屋も多いです。その辺にこだわりがある人は部屋の詳細を確認したほうがいいです。私は時間つぶしに入浴したかったので、バスタブがない部屋は除外しました。
台北市内の防疫ホテルには、温泉のある北投のホテルもあります。それもいいかな?と考えたのですが、主人に「北投は硫黄泉だが、2週間硫黄の臭いを毎日嗅ぐのか?」と言われ、それもそうか…と辞めました。温泉好きの人は北投で15日間温泉入り放題もいいと思います。
窓の有無
15日間を過ごすので、私は窓があった方がいいと思いました。窓なしの部屋のほうが安い傾向ですが、窓なしで15日間というのはきついのではないでしょうか…。
日光を浴びたかったので、これは譲れないポイントでした。窓が開閉できたらなおいいなと思って検索しました。
部屋の設備
子供と過ごす部屋でしたので、勉強ができる机があるといいと思いました。Wifi、冷蔵庫、ドライヤーなどはほとんどのホテルが提供していると思います。不明点はホテルに連絡して確認することをおすすめします。
床の素材
防疫ホテルは2週間掃除に入ってもらえないので、自分で掃除をしなければなりません。ハウスダストにアレルギーがある人が2週間カーペットを掃除しないというのはきついのかなと思います。
防音
音が気になって眠れない、うるさい音に耐えられないという人はホテルの防音の口コミをチェックした方がいいと思います。
子連れの場合には防音を気にするのは別な意味で、喧嘩をしては騒ぎ、ゲームをしては騒ぎ、泣き、走り回り…と隣の部屋からクレームが来ないかと実はずっと心配でした。ですから、ホテルの口コミで壁が薄いと書いてあるところは最初から除外しました。
食事
食事内容が事前に分かればいいのですが、これは事前には何の情報もわかりませんでした。食事つきプランだと3食ホテルでお弁当を準備してくれます。自分でデリバリーを注文すると、ホテルのスタッフが部屋の前まで届けてくれます。そのため食事なしプランも選択できます。
私は3食何を食べるか考えるのが面倒だったので、食事つきプランにしました。
子供の料金設定
年齢により無料のところ、一日400元、500元、食事代無料、食事有料などそのホテルによって料金設定があります。基本は1人部屋なので、ネットの紹介ページに子供料金は出ていません。気になるホテルには直接問い合わせることをおすすめします。
結局私が選んだ部屋はこちらです。
住所:台北市南港區三重路23號
電話番号:+886-2-2785-2655
ベッドはキングサイズの1つの部屋でした。
この浴室の窓が開閉できるので、換気ができます。網戸はないので蚊が入ってきましたが、空気の入れ替えができるのはありがたかったです。
部屋、広いですよね。贅沢しすぎじゃないか?とは思いました。一泊3人で4400元(17600円)、合計66000元(約264000円!)。防疫所の2倍以上ですからね…。もう一回海外旅行に行ける出費ですよ…。
こんな贅沢は全く望んでいなかったのですが…。
本当に本当にこんなにお金を使いたくなかったのですが、主人が許してくれたので、こちらに決めました。
結果的にはこのホテル、おすすめです。松山空港からも15分と近く、夜も静かで、窓も2か所開けることができました。床はカーペットで足音も気にする必要がなく、14日間特に不満がなく、快適に過ごせました。
ホテル生活の実際
空港からの移動
空港からは防疫タクシーでホテルまで行きました。地下駐車場から入り、ホテルのスタッフが予約書を確認した後、エレベーターで直接部屋に行きました。その扉を閉めたら、隔離生活のスタートです。
部屋に備え付けの消耗品
部屋には、体温計・ゴミ袋・ペットボトルの水、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、洗える食器(スプーン・フォーク・箸)、食器洗い洗剤、衣類用洗剤などが必要量あらかじめ置いてありました。足りなくなった場合には届けてくれました。
掃除・洗濯
15日間部屋の掃除、タオルやシーツの交換はなしです。洗濯サービスもありません。私の泊まったホテルでは部屋に、衣類乾燥機能の付いた除湿器がありました。
食事
食事は毎日決まった時間に部屋の前に置いてあるテーブルに届けてくれ、ラインで通知してくれました。
私はフードデリバリーは利用せず、家族が週末に牛乳などを届けてくれたのですが、家族が届けてくれたものをすぐに部屋の前まで届けてくれました。(規約には食事時間にまとめてとどけます。と書いてあるのですが)
全部ではありませんが、お弁当はこんな感じでした。食事は外注しているようで、ホテルの近くにあるレストランのお弁当のこともありました。思っていた以上に食事がおいしくて、食事以外のデリバリーの必要がなかったです。でもちょっと野菜不足感はありました。
朝食
昼食
夕食
火鍋、お粥、台湾そうめん、ピザハットのピザなど予想外の夕食が出てきました。夕食に毎日フルーツもついてきました。
ゴミ
ごみは全部まとめて指定された時間に部屋の外に置いておくという決まりでした。(指定のごみ袋が日数分支給あり)
スタッフとのやり取り
ホテルのスタッフとはラインを使って中国語でやり取りしていました。質問をするとすぐに返信してくれました。
体調管理と位置情報の確認
1日2回ホテルの人に体温と体調の異常がないかを報告しました。
ホテルの他に、地域の警察からも電話が来て、ラインを追加するように言われました。私の携帯電話で位置情報を確認し、違反がないかを確認するためです。携帯の電源を切るとすぐにホテルに連絡がいくようです。何かあれば警察が直接本人確認にくるようです。だからといって別に怖くはありませんよ。私の担当は優しいお姉さんでした。
隔離期間中のPCR検査
空港で大人は簡易検査キットを配られ、隔離後10日~12日に検査するように言われます。自分で検査をして、検査結果をホテルと警察に報告しました。
また、ホテル入居日に指定されたサイトからPCR検査の予約も申し込みました。これは、隔離終了2~3日前に直接ホテルまで医療スタッフが来て、鼻腔からのPCR検査をします。費用は自費で、台北市は1人500元でした。その場で現金・またはカードで支払います。
これは街で見かけた検査用車両です。
台北市ではこのようなバスを利用した車両でホテルの前まで医療スタッフが来て検査します。その後特に報告がなければ陰性ということです。
台北政府からの支給品
隔離後に台北市からの支給品が届きました。台湾籍の人にもらえるようです。家は子供が台湾籍でもあるので、これを2セットもらいました。補助金の情報などもはいっていました。
隔離生活のその後
ホテル隔離生活が終了すると1週間の自主健康管理期間になります。この期間は自分で健康に注意し、できる限り公共施設には行かないという期間ですが、特に制約も罰則もありません。毎日9時に携帯にメッセージが届き、健康状態に異常がないかを返信するだけでした。
外国人=英語で送られると、戸惑います。このメッセージを無視すると何度も送られてくるらしいです。
子供とホテル隔離のために準備したもの、役立ったもの
食料
カップ麺、ふりかけなどご飯のお供、お菓子、インスタントスープ、お酒、気分の上がる好きな食べ物
食事はおいしかったですが、子供が苦手なおかずの日は、ふりかけでとりあえずご飯だけ食べさせ、おなかが減ったらカップ麵を食べさせました。
ホテルの規定が「デリバリーで頼んでも酒類は部屋に届けません」となっていたので、ちょっと息抜きに飲みたいと思いお酒も持参しました。気分の上がる食べ物があると隔離中も心穏やかに過ごせると思います。
私が写っていますが。壁にちょうどいい棚があったので、並べてみました。
とりわけ用の食器
子供と一緒にシェアしたり、ちょっとしたものを食べるときなどにとりわけ用の食器があると便利でした。
掃除道具
コロコロやほうき
トイレ用洗剤
お風呂掃除洗剤
浴槽掃除用スポンジ
机拭き用使い捨てタオル
2週間掃除に入ってもらえないので、洗剤類は持参しました。好きな洗剤を使って掃除できたので、私は持参して正解だったと思います。特に浴室用スポンジはあってよかったです。
洗濯道具
洗剤
防水バッグ
畳めるバケツ
物干し用ロープ
洗濯も自分でします。一人だったら、下着で過ごすところですが…。子供の教育上、毎日3人部屋着で過ごしました。大して汗はかきませんが、食べこぼしなどもあったので、毎日洗濯していました。そこで役立ったのが防水バッグです。水と洗剤と洗濯ボールを入れてシャカシャカし、手動洗濯機として使いました。腕の運動がてら子どもにも振らせてました。
干す場所が足りなかったときに物干し用ロープも役立ちました。部屋に除湿器が置いてあったので、洗濯後衣類乾燥モードに設定し、夜洗った服は朝には大体乾いていました。
この商品は洗濯ボールとロープ付きでお得だったので、これを買っていきました。
そして何かと役立ったのが、折りたためるバケツです。スーツケースにも入れやすく、洗濯にも便利でした。バケツを使って衣類を手洗いするのもいいと思います。
食器用洗剤、スポンジ、布巾
食器用洗剤はホテルでも置いてありましたがスポンジはありませんでした。スポンジはコップを洗ったりするのに使いました。布巾もあると便利です。
入浴剤、パック、お気に入りのシャンプーなど
入浴は時間が潰せる上、子供たちも水遊びできると思い入浴剤を持って行き、毎日入浴していました。ホテルのアメニティーは当たり外れがあるので、お気に入りを持参するのがいいと思います。デリバリーで現地調達もいいと思います。
乾きやすい服
日本で速乾性のある部屋着を選んで購入していきました。脱水が出来ず手で絞るしかないので、ホテル隔離でしゃ乾きやすい服の方が便利だと思います。
子供の遊び道具
SWITCHは日本にも持って行っていました。台湾の電圧は110W、日本は100Wで、本来であれば変圧器を使った方がいいですが、なくても使用できます。ホテルのテレビとつないで遊びました。リングフィットトレーナーも持っていたので3人で運動もしました。
トランプも意外と時間が潰せてよかったです。100均などで、時間が潰せそうな工作も購入していくつか持って行きました。また、このコースターを買い、子供と作ってホテルで使ってました。
パソコン・タブレットなど
隔離中も仕事をする場合には必須だと思います。家の場合には日本のテレビを見たりオンライン授業やオンラインゲームをするのに使っていました。
勉強道具
一日中部屋にいると暇なので、ノルマを決めて勉強させていました。問題集がたくさんあると荷物が重くなって大変ですが、ゲームやテレビで液晶画面を見すぎなので、紙媒体を準備しました。
爪切り、はさみ、虫刺され薬など
15日間、意外と爪も伸びます…。爪切りがあると一回は使うと思います。
時計
ホテルの部屋は大きな時計がなかったので、今何時かよくわかりません。私は時計は準備しなかったのですが、時計があるとよかったと思いました。スマホでも十分ですけど。
延長コード
私は使わなかったのですが、コンセントが少ない部屋の場合には、延長コードがあると便利かと思います。
無駄に経験値が増えたような気がしました。
いつもは日本の食料品や新しく購入した衣類をスーツケースに詰めて台湾に戻るのですが、今回は子供との隔離生活が心配過ぎて、大きいスーツケース1個に隔離生活用の荷物をたくさん詰めて台湾に来ました。ほとんど100均で購入し、スポンジなどは使い捨てにしてホテルに置いてきたものもありました。
長々と書きました。15日間のホテル隔離生活の情報でした。ホテルがよかったおかげで特に不自由もせず過ごせました。子供と一緒でもなんとかなります。隔離生活を終えて、一連の帰国の手続きやらで無駄に経験値が増えたような気分になりました。が、もうやりたくないというのが正直なところです。無事、陰性で帰れてよかったです。
もし陽性になっていたら、病院や検疫所でさらなる隔離生活が続くことになります。台湾入国の際は万が一陽性だった場合の心構えも一応しておいた方がいいかと思います。
早く隔離なく行き来できる世の中に戻ってほしいです。